近隣商業地域についてわかりやすくまとめてみました。

不動産知識

おはようございます。
コマドリです。

この地域は、住宅地の近くに位置し、日常生活に必要な商品やサービスを提供する中小規模な商業施設の集まりになります。
この記事では、13種類ある用途地域の中の商業系地域の近隣商業地域についてまとめてみました。

この近隣商業地域は、住居系用途地域の隣に指定されていることが多く、主に幹線道路沿いの指定が多いことからも、不動産購入検討者からしても身近にある用途地域になろうかとおもいます。
近隣商業地域は、主に地元の住民にサービスを提供するために設計されており、スーパーマーケットやドラッグストアなどが建設されることを狙ったエリアです。

今回は、その住居系用途地域との違いについてもまとめていこうと思います。ご参考ください。

近隣商業地域の定義

近隣商業地域とは、都市計画法によって定められた用途地域の一つで、私たちの日常生活に欠かせない日用品や食料品を購入できる店舗が集まる地域です。
この地域は、住宅地のすぐそばに位置しており、生活の利便性を高めるために設けられています。

近隣商業地域の特徴

  • 歩行者に優しい設計となっており、車がなくても利用しやすい
  • 地域社会の日常生活に密接に結びついている
  • 地元の雇用創出に貢献している
  • 地域の特色を反映した店舗が多い
  • 地域住民のニーズに応じた商品やサービスを提供

近隣商業地域の役割と重要性

  • 住民の生活の質向上に直結するサービスを提供
  • 地域コミュニティの活性化に貢献する社会的な集会場所を提供
  • 地域経済の活性化と自立を促進
  • 環境保護に配慮した持続可能な消費を促す
  • 地域の安全性と防犯に寄与する地域監視の役割を果たす

近隣商業地域に住むことによるメリット

近隣商業地域に住むことのメリットを、第1種住居地域と比較して以下のようにまとめました。

  • 利便性の高さ: 近隣商業地域では、食料品や日用品など生活必需品が手に入りやすく、日々の買い物が便利です。
  • 多様な施設へのアクセス: 飲食店や公共施設、教育施設などが近くにあり、生活の質が向上します。
  • 交通アクセス: 主要道路や駅に近いことが多く、公共交通機関を利用しやすいです。
  • 建築の自由度: 第1種住居地域に比べて建築物の高さ制限が緩やかで、より多様な建物が建設可能です。
  • 商業活動の機会: 自宅でのビジネスや店舗経営がしやすく、事業と居住の両立が可能です。

近隣商業地域の指定状況について

令和4年(2022年)3月時点の国土交通省の調べでは、全国で約187万haの用途地域のうち、近隣商業地域は、約78,400ha(全体の4%)の指定がされている。
数字で見ると少なく感じますが、全国で用途地域を指定している都市(全1,192都市)のうち、1,148都市(全体の96%)が近隣商業地域を都市内で指定しているため、ほぼどこの都市でも指定がされているエリアとみられます。

近隣商業地域の制限の適用

建蔽率と容積率

建ぺい率:60%、80%

容積率:100%~500%

高さ制限

絶対高さ制限

適用無し
※この制限は、第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域のみに適用されます。

道路斜線制限

適用される
※すべての用途地域に適用されます。

隣地斜線制限

適用される
※用途地域により制限内容が違います。
※第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域では適用されません。

北側斜線制限

適用無し
※第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域、第1種(第2種)中高層住居専用地域で適用されます。

日影規制

適用される
※但し、高さ10m超えの建物に適用される。

外壁後退

適用無し
※第1種(第2種)低層住居専用地域と田園住居地域のみで適用されます。

近隣商業地域で建てられる建物と建てられない建物

建てられる建物

  • 住宅・共同住宅・兼用住宅
  • 幼稚園・小学校・中学校・高等学校
  • 図書館
  • 老人ホーム・保育所・身体障害者福祉ホーム
  • 神社・寺院・教会
  • 公衆浴場・診療所・保育所等
  • 巡査派出所(交番)・公衆電話所(電話ボックス)
  • 老人福祉センター・児童厚生施設
  • 税務署・郵便局・警察署・保健所・消防署
  • 病院
  • 大学・高等専門学校
  • 店舗や飲食店(床面積の合計が10,000㎡以内)
  • 自動車車庫(2階以下かつ300㎡以下)
  • 自動車教習所
  • 倉庫
  • 営業用倉庫
  • 劇場・映画館(客席部分の床面積の合計が200㎡未満)
  • 自動車修理工場(300㎡以下)
  • 工場(150㎡以下・危険性や環境を悪化させる恐れが少ない)
  • 危険物の処理・貯蔵施設(量が非常に少ない施設)
  • 店舗や飲食店の部分が2階以下で床面積の合計が150㎡以内
  • 店舗や飲食店の部分が2階以下で床面積の合計が500㎡以内
  • ボーリング場・スケート場・プール・バッティングセンター等
  • ホテル・旅館
  • マージャン屋・パチンコ屋
  • カラオケボックス
  • 自動車車庫(3階以上または300㎡超)
  • 劇場・映画館(客席部分の床面積の合計が200㎡以上)
  • 工場(50㎡以下・危険性や環境を悪化させる恐れが非常に少ない)
  • 危険物の処理・貯蔵施設、量が少ない施設

建てられない建物

  • キャバクラ・キャバレー・ナイトクラブ
  • ソープランド・ヌードスタジオ等
  • 工場(150㎡を超えるまたは危険性や環境を悪化させる恐れがやや多い)
  • 工場(危険性が大きいまたは著しく環境を悪化させる恐れがある)
  • 危険物の処理・貯蔵施設、量がやや多い施設
  • 危険物の処理・貯蔵施設、量が多い施設

まとめ

・近隣商業地域は、全国の用途地域で全体の4%のエリアで指定しかないが、全体の96%の都市数で少なからず指定がされている。

・近隣商業地域は住宅地が近いところに指定されることから、大型商業施設やホームセンター等が建てられることで、近隣商業地域に隣接する地域は、利便性のよい地域になる。

・規制については、大体の施設は建てられるが、キャバクラ等の風俗店等の建設は制限されていることから、大体何でも建てられる商業地域とはここが違います。

・住居系用途地域との違いは、大きく言えば大型店舗等の住宅以外の建物で大きいものが建てられるかどうか、になるとおもいます。

以上のように、近隣商業地域について解説いたしました。

その他用途地域についてもまとめていますので、そちらも併せてご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました