準工業地域ってなに?わかりやすく解説します。

不動産知識

こんにちわ。
コマドリです。

用途地域は、住居系・商業系・工業系というように大きく3つに分類されています。
その中でも今回は、工業系になる準工業地域という地域について解説を致します。

工業系と聞くと、工場がいっぱい建つのかな?というイメージがあると思いますが、準工業地域は、工業と住宅が共存する地域で、特に軽工業の工場が中心になり、かつ住宅もそれなりに多くあるという地域をイメージしていただければと思います。
この記事を読んで理解いただければ、あなたのいる都市の街づくりを自治体がどう考えているか見えてきて面白いですよ。

読んでいってください。

準工業地域の特徴

  • 多様な建物が建設可能: 工場だけでなく、住宅や店舗、事務所なども建てることができる。
  • 環境悪化の要因となる工場は除外: 危険性が高い工場や環境汚染を引き起こす可能性のある工場の建設は制限されている。
  • 生活に必要な施設が点在: 学校や病院、商業施設などが建てられるため、住みやすい環境が整っている。

準工業地域に住むことによるメリットとデメリット

メリット

  • 土地価格が比較的安い: 住居地域に比べて土地価格が安い傾向にある。
  • 日照条件が良い: 日陰規制があるため、日当たりの良い物件が多い。
  • 利便性が高い: 幹線道路が近い場合が多く、交通の便が良い。

デメリット

  • 騒音や排気ガス: 工場が近いため、騒音や排気ガスが気になる場合がある。
  • 土壌汚染の可能性: 工場の跡地などでは、土壌汚染が発生している可能性がある。

準工業地域の指定状況について

準工業地域は、全国的にみて、2022年(令和4年)4月時点の国土交通省の調べでは、全国で約187万haで指定されている用途地域のうち、準工業地域の指定は約20万haで、全体の11%で指定されています。

これは商業地域や近隣商業地域よりも多く指定されております。どちらも全体の4%程度の指定。

このことからも、準工業地域というのは、自治体の街づくりにおいて、汎用性のある指定しやすい地域になるのかもしれません。

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準工業地域の制限の適用

建蔽率と容積率

建ぺい率:50~80%

容積率:100%~500%

高さ制限

絶対高さ制限

適用無し
※この制限は、第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域のみに適用されます。

道路斜線制限

適用される
※すべての用途地域に適用されます。

隣地斜線制限

適用される。
※用途地域により制限内容が違います。
※第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域では適用されません。

北側斜線制限

適用
※第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域、第1種(第2種)中高層住居専用地域で適用されます。

日影規制

適用れる
※但し、高さ10m超えの建物に適用される。

外壁後退

適用無し
※第1種(第2種)低層住居専用地域と田園住居地域のみで適用されます。

準工業地域で建てられる建物と建てられない建物

建築可能な建物

  • 住宅・共同住宅・兼用住宅
  • 幼稚園・小学校・中学校・高等学校
  • 図書館
  • 神社・寺院・教会
  • 老人ホーム・保育所・身体障害者福祉ホーム
  • 公衆浴場・診療所・保育所等
  • 老人福祉センター・児童厚生施設
  • 巡査派出所(交番)・公衆電話所(電話ボックス)
  • 税務署・郵便局・警察署・保健所・消防署
  • 大学・高等専門学校
  • 病院
  • 店舗や飲食店(床面積の合計が150㎡以内)
  • 店舗や飲食店(床面積の合計が500㎡以内)
  • 物品販売業を営む店舗や飲食店(10,000㎡以内)
  • ボーリング場・スケート場・プール・バッティングセンター等
  • ホテル・旅館
  • マージャン屋・パチンコ屋
  • カラオケボックス
  • 自動車車庫(2階以下かつ300㎡以下)
  • 倉庫
  • 営業用倉庫
  • 自動車教習所
  • 劇場・映画館(客席部分の床面積の合計が200㎡未満)
  • 自動車修理工場(50㎡以下)
  • 自動車修理工場(150㎡以下)
  • 自動車修理工場(300㎡以下)
  • 工場(50㎡以下・危険性や環境を悪化させる恐れが非常に少ない)
  • 工場(150㎡以下・危険性や環境を悪化させる恐れが少ない)
  • 工場(150㎡を超えるまたは危険性や環境を悪化させる恐れがやや多い)
  • 危険物の処理・貯蔵施設、量が非常に少ない施設(ガソリンスタンド)
  • 危険物の処理・貯蔵施設、量が少ない施設
  • 危険物の処理・貯蔵施設、量がやや多い施設

建築不可な建物

  • ソープランド・ヌードスタジオ等
  • 工場(危険性が大きいまたは著しく環境を悪化させる恐れがある)
  • 危険物の処理・貯蔵施設、量が多い施設

まとめ

・準工業地域は、2022年(令和4年)4月時点で、用途地域全体で11%の地域が全国で指定されている。

・準工業地域は、工業と住宅が共存する多様な用途の建物が建設可能な地域で、環境悪化の恐れが少ない工場や公共施設も点在します。これにより、利便性が高く、静かで住みやすい街並みが形成されることが期待されます。

・規制については、商業系地域おりは厳しくはなるのですが、住居系よりは緩い制限となっております。ただ、商業地域並みにほとんどの建物が建てられるエリアとなり、商業地域より大きな工場が建てられるのが準工業地域となります。

・ただこの準工業地域は、名前は工業とついていますが、アパートやマンションも建てられるので、比較的工場よりは、テナントビルや店舗、アパートやマンションのほうが多い地域になります。

以上準工業地域についてまとめてみました。
その他12種類の用途地域についてもまとめています。そちらも併せてみていただくことで、頭に入りやすくなるかなと思います。

ぜひ見てください。

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