おはようございます。コマドリです。
住まい選びは、私たちの生活において重要な決断の一つです。
今回この記事でお話しする第1種(第2種)中高層住居専用地域域では、ほかの住居地域である、第1種(第2種)低層住居専用地域、第1種住居地域という住居地域よりもっと、マンションやアパートなどの集合住宅等の大きな建物が増え、かつ密集して建てられるエリアにもなります。
そのため、非常ににぎやかな住宅街を形成しやすいエリアとなります。
ただ、このエリアはあくまで、住居専用地域としているため、商業ビルなどオフィスビルについては制限があるエリアになるので、なんでも大きな建物が建てられるわけではありません。
この記事では、他の住居専用地域との違いなどがわかるようにまとめてみました。
これを読んでいただければ、今後不動産購入検討をする上で、例えば自分が問い合わせした物件のエリアが第1種中高層住居専用地域だった時に、周辺の建物の雰囲気等のイメージがつかみやすくなると思います。
ぜひご覧ください。
第1種(第2種)中高層住居専用地域について(一中高、二中高)
・第1種中高層住居専用地域の定義
一中高は、主に住宅のための地域であり、商業施設や工場などの建設は原則として制限されています。この地域は、静かで落ち着いた住環境を提供することを目的としています。
・第2種中高層住居専用地域の定義
二中高は、第1種に比べてやや緩和された規制が特徴です。商業施設の建設がより柔軟に許可される傾向にあります。
この章では、これらの地域の基本的な定義と、それぞれの特徴やについて詳しく解説します。
両地域の特徴と違い
第1種住居地域の特徴
- 静穏性の確保:主に住宅用地として設定され、静かな住環境を提供することを目的としています。
- 商業施設の制限:商業施設や工場などの建設は原則として制限されており、住居の安定性を重視しています。
- 建築規制:建物の高さや容積率に制限があり、日照権やプライバシーの保護を目的としています。
- 緑豊かな環境:公園や学校などの公共施設が整備され、家族連れにとって魅力的な住環境を提供します。
第2種住居地域の特徴
- 多様な開発の可能性:第1種に比べて規制が緩和されており、中規模の店舗やオフィスビルの建設が可能です。
- 住宅と商業の融合:住宅と商業施設が混在し、より活気のある地域づくりが期待されます。
- 都市計画との連携:都市の成長に合わせた開発が期待されるエリアとして位置づけられています。
- 住宅価格への影響:商業施設の建設が可能なため、住宅価格にプラスの影響が見込まれます。
両地域の違い
- 第1種:主に住宅用途に限定され、商業施設や工場の建設が厳しく制限されています。
- 第2種:住宅だけでなく、商業施設やオフィスビルの建設も許可されており、より多様な開発が可能です。
- 建築規制:第1種では建物の高さや容積率により厳しい制限があり、第2種は比較的緩和されています。
- 環境:第1種は静かで落ち着いた住環境を提供するのに対し、第2種は活気ある都市生活を提供する可能性があります。
- 将来性:第2種は都市の成長に合わせた開発が期待され、投資価値が高まる可能性があります。
第1種中高層住居専用地域に住むことによるメリットとデメリット
メリット
- 静かな環境:商業施設が少ないため、騒音が少なく静かです。
- プライバシーの保護:建築規制により、住宅間の距離が保たれます。
- 日照権の確保:高さ制限により、日光が遮られることが少ないです。
- 緑豊かな地域:公園や緑地が多く、自然を楽しむことができます。
- 家族向け:子育てしやすい環境が整っています。
デメリット
- 商業施設の不足:買い物や飲食に不便を感じることがあります。
- 交通の不便:商業地域から離れていることが多く、交通アクセスが悪い場合があります。
- 活気の不足:商業施設が少ないため、地域に活気がないことがあります。
- 地価の高騰:住環境の良さから、地価が高くなる傾向があります。
- 開発の制限:新しい建築や改築に制限が多いです。
第2種中高層住居専用住居地域に住むことによるメリットとデメリット
メリット
- 多様な開発:商業施設やオフィスビルの建設が可能です。
- 便利な生活:買い物や飲食に便利な施設が近くにあります。
- 活気ある環境:商業活動により、地域が活気づきます。
- 交通アクセスの良さ:商業地域に近いため、交通の便が良いです。
- 投資価値:都市開発により、不動産価値が上がる可能性があります。
デメリット
- 騒音問題:商業活動による騒音が発生することがあります。
- プライバシーの問題:建物が密集しているため、プライバシーが確保しにくいです。
- 日照権の問題:建物が高いため、日光が遮られることがあります。
- 環境負荷:商業活動による環境への負荷が大きいです。
- 生活コストの上昇:地域の活性化に伴い、生活費が高くなることがあります。
住居地域選びのポイント
- ライフスタイル:静かな環境を好むか、活気ある地域を好むかで選択が変わります。
- 家族構成:子供がいる家庭は、学校や公園が近い第1種地域を好むかもしれません。
- 通勤・通学:職場や学校へのアクセスの便を考慮して選びましょう。
- 買い物の利便性:日常の買い物が便利な第2種地域が適しているかもしれません。
- 将来の計画:長期的な居住を考えるなら、環境の変化が少ない第1種地域が良いでしょう。
- プライバシーの重視:プライバシーを重視するなら、第1種地域が適しています。
- 投資としての価値:不動産価値の上昇が見込める第2種地域が良い選択かもしれません。
- 環境への配慮:緑豊かな環境を求めるなら、第1種地域が適しています。
- 騒音への耐性:騒音に敏感でなければ、第2種地域の方が生活が充実しているかもしれません。
- 地域コミュニティ:地域のコミュニティに参加したいかどうかも、選択の一因になります。
これらのポイントを考えながら、あなたに合った住居地域を選んでください。
以上、第1種住居地域と第2種住居地域のことについてお話をしていきました。
さらに、これらの地域に係る制限等についてお話していきます。
第1種中高層住居専用地域の制限の適用
建蔽率と容積率
建ぺい率:30~60%
容積率:100%~500%
高さ制限
絶対高さ制限
適用無し
※この制限は、第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域のみに適用されます。
道路斜線制限
適用される
※すべての用途地域に適用されます。
隣地斜線制限
適用される
※用途地域により制限内容が違います。
※第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域では適用されません。
北側斜線制限
適用される
※第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域、第1種(第2種)中高層住居専用地域で適用されます。
※3階建て以上の高い建物が建築しやすいエリアであることから、この北側斜線制限を設けていなければ、北隣が完全に日陰になる影響が懸念され、住環境に影響が出てしまうことから、他の住居地域よりも厳しく制限が課せられています。
日影規制
適用される
※但し、高さ10m超えの建物に適用される。
外壁後退
適用されない
※第1種(第2種)低層住居専用地域と田園住居地域のみで適用されます。
第2種中高層住居専用地域の制限の適用
制限の内容については、第1種中高層住居専用地域と同じです。
建蔽率と容積率
建ぺい率:50~80%
容積率:100%~500%
高さ制限
絶対高さ制限
適用無し
この制限は、第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域のみに適用されます。
道路斜線制限
適用される
※すべての用途地域に適用されます。
隣地斜線制限
適用される
※用途地域により制限内容が違います。
※第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域では適用されません。
北側斜線制限
適用される
※第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域、第1種(第2種)中高層住居専用地域で適用されます。
※3階建て以上の高い建物が建築しやすいエリアであることから、この北側斜線制限を設けていなければ、北隣が完全に日陰になる影響が懸念され、住環境に影響が出てしまうことから、他の住居地域よりも厳しく制限が課せられています。
日景規制
適用される
※但し、高さ10m超えの建物に適用される。
外壁後退
適用されない
※第1種(第2種)低層住居専用地域と田園住居地域のみで適用されます。
第1種中高層住居専用地域で建てられる建物、建てられない建物
建てられる建物
- 住宅・共同住宅
- 幼稚園・小学校・中学校・高等学校
- 図書館
- 神社・寺院・教会
- 老人ホーム・保育所・身体障害者福祉ホーム
- 公衆浴場・診療所・保育所等
- 老人福祉センター・児童厚生施設
- 巡査派出所(交番)・公衆電話所(電話ボックス)
- 税務署・郵便局・警察署・保健所・消防署
- 大学・高等専門学校
- 病院
- 床面積150㎡以内の店舗や飲食店(2階以下)
- 床面積500㎡以内の店舗や飲食店(2階以下)
- 300㎡以下の自動車車庫(2階以下)
条件付きで建てられる建物
- 兼用住宅
※兼用住宅は延べ面積の1/2以上が住居で、店舗・事務所の部分が50㎡以下なら建てられる。 - 独立車庫、付属車庫
※独立車庫は300㎡以下で2階以下、付属車庫は3,000㎡以下で車庫以外の部分の面積以下かつ2階以下は建てられる。 - 工場(50㎡以下・危険性や環境を悪化させる恐れが非常に少ない)
※作業場が50㎡以下の食品製造業(パン屋・米屋など)は建てられる。
建てられない建物
- 物品販売業を営む店舗や飲食店(上記以外のもの)
- 床面積が10,000㎡を超える店舗や飲食店
- 事務所等(上記以外のもの)
- ボーリング場、スケート場、プール、バッティングセンター等
- ホテル、旅館
- マージャン屋、パチンコ屋
- カラオケボックス
- 倉庫
- 営業用倉庫
- 自動車教習所
- 劇場、映画館(客席部分の床面積が200㎡未満または以上)
- キャバクラ、キャバレー、ナイトクラブ
- ソープランド、ヌードスタジオ等
- 自動車修理工場(50㎡以下、150㎡以下、300㎡以下)
- 工場(50㎡以下、150㎡以下、150㎡を超える)
- 危険物の処理・貯蔵施設(量が非常に少ない、少ない、やや多い、多い施設)
第2種中高層住居専用地域で建てられる建物、建てられない建物
建てられる建物
- 住宅・共同住宅・兼用住宅
- 幼稚園・小学校・中学校・高等学校
- 神社・寺院・教会
- 図書館
- 老人ホーム・保育所・身体障害者福祉ホーム
- 公衆浴場・診療所・保育所等
- 老人福祉センター・児童厚生施設
- 大学・高等専門学校
- 税務署・郵便局・警察署・保健所・消防署
- 巡査派出所(交番)・公衆電話所(電話ボックス)
- 病院
- 床面積150㎡以内の店舗や飲食店(2階以下)
- 床面積500㎡以内の店舗や飲食店(2階以下)
- 300㎡以下の自動車車庫(2階以下)
条件付きで建てられる建物
- 物品販売業を営む店舗や飲食店
※該当部分が2階以下、かつ1,500㎡以下なら建てられる。 - 事務所等
※該当部分が2階以下、かつ1,500㎡以下なら建てられる。 - 倉庫
※該当部分が2階以下、かつ1,500㎡以下なら建てられる。 - 危険物の処理・貯蔵施設(量が非常に少ない施設)
※該当部分が2階以下、かつ1,500㎡以下なら建てられる。 - 工場(50㎡以下・危険性や環境を悪化させる恐れが非常に少ない)
※作業場が50㎡以下の食品製造業(パン屋・米屋など)は建てられる。 - 独立車庫、付属車庫
※独立車庫は300㎡以下で2階以下、付属車庫は3,000㎡以下で車庫以外の部分の面積以下かつ2階以下は建てられる。
建てられない建物
- 床面積10,000㎡を超える店舗や飲食店
- ボーリング場・スケート場・プール・バッティングセンター等
- ホテル・旅館
- マージャン屋・パチンコ屋
- カラオケボックス
- 3階以上または300㎡超の自動車車庫
- 営業用倉庫
- 自動車教習所
- 劇場・映画館(客席部分の床面積が200㎡未満または以上)
- キャバクラ・キャバレー・ナイトクラブ
- ソープランド・ヌードスタジオ等
- 自動車修理工場(50㎡以下、150㎡以下、300㎡以下)
- 工場(50㎡以下、150㎡以下、150㎡を超える)
- 危険物の処理・貯蔵施設(量が少ない、やや多い、多い施設)
第1種中高層住居専用地域と第2種中高層住居専用地域での違い
上記黄色マークしている部分ですが、
店舗や飲食店、事務所の床面積の制限数字が違います。第1種は500㎡以下、2階以下の店舗や飲食店は建てられますが、第2種は1,500㎡以下、2階以下までの店舗や飲食店等を建てることができるため、第2種のほうが、大型のスーパーマーケット等が建ちやすいエリアになります。
ちなみに、第2種住居地域では、マージャン屋やパチンコ店は建てられますが、この中高層住居専用地域については建てられません。
まとめ
第1種中高層住居専用地域
主に住宅が建てられ、静かな環境を保つための厳しい建設制限がある地域
第2種中高層住居専用地域
住宅と商業施設が共存可能で、活気ある街並みと便利さを提供する地域
不動産購入選択のポイント:
第1種(第2種)中高層住居専用地域は、低層住居専用地域や住居地域と比較して、大きな建物が建築しやすいエリアとなります。
そのため、活気あふれる街並みで利便もいいほうの1種住居地域にある戸建てを選ぶか、低層住居専用地域にある閑静な住宅街を選ぶか、はたまた店舗が多くなるにぎやかな中高層住居専用地域などあなた自身の好むライフスタイルに合わせて検討してみてください。
その他の用途地域についても気になる方は下記記事作成していますのでご覧ください。