こんにちわ。コマドリです。
今回この記事でお話しする準住居地域は、国道や県道などの幹線道路沿いに設定されていることが多く、大規模な店舗や事務所、自動車ディーラー店などが多く建てられ、一見して住宅地としてのイメージはありません。
また、準住居地域というエリア自体がそもそも少なく、不動産購入検討をする方でも、不動産業をしている人間であっても、あまり目にする機会もないので、こんな地域もあるんだよという感じで見ていってください。
準住居地域の特徴
準住居地域は、以下のような特徴を持つ地域です。
多様な用途: 住宅だけでなく、店舗や事務所など商業施設の建設も可能。
土地活用: 未利用の土地を有効活用し、収入を得ることができる。
将来性: 将来的に自身や家族の住まいとしても使用可能。
日影規制の緩和: 敷地を有効に活用でき、建物の形状に自由度がある。
利便性: 大型商業施設の建設が可能で、買い物や外食などの利便性が高い。
交通アクセス: 主要幹線道路や自動車関連施設が近く、車利用者にとって便利。
地価変動: 地価が需要と供給に依存して変動し、土地価値が減少する可能性がある。
騒音・排気ガス: 幹線道路沿いのため、騒音や排気ガスの影響を受けやすい。
日当たり・見晴らし: 周囲に高い建物が建つ可能性があり、日当たりや見晴らしが悪化することがある。
静かさの欠如: 商業施設や主要道路が近いため、静かな生活を求める人には不向き。
以上の点を考慮すると、準住居地域は、住宅と商業の機能が共存する地域であり、環境保護の観点からも重要な役割を果たしていることがわかります。
ただ、幹線道路沿いに指定されるエリアであることから、住宅以外の建物が多く立ち並びやすいエリアになるため、住宅は比較的少ないです。
また、準住居地域については、以下のように指定面積は全国的に少ないことも特徴です。
準住居地域は、全国の用途地域(約187万㏊)に対して、約2万9,000ha(全体の約1.5%)が設定されています。
国土交通省の都市交通調査・都市計画調査の令和2年3月31日時点のデータ参照
また、全国の都市数を考慮すると、1,191の都市のうち、667の都市(全体都市数の56%)で準住居地域が指定されていることから、都市ごとに指定されている準住居地域は半数程度存在していますが、各都市毎の指定面積は少ないことがわかります。
準住居地域の制限の適用
建蔽率と容積率
建ぺい率:50~80%
容積率:100%~500%
高さ制限
絶対高さ制限
適用無し
※この制限は、第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域のみに適用されます。
道路斜線制限
適用される
※すべての用途地域に適用されます。
隣地斜線制限
適用される
※用途地域により制限内容が違います。
※第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域では適用されません。
北側斜線制限
適用されない
※第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域、第1種(第2種)中高層住居専用地域で適用されます。
日影規制
適用される
※但し、高さ10m超えの建物に適用される。
外壁後退
適用されない
※第1種(第2種)低層住居専用地域と田園住居地域のみで適用されます。
準住居地域で建てられる建物と建てられない建物
建築可能な建物
- 住宅・共同住宅・兼用住宅
- 幼稚園・小学校・中学校・高等学校
- 図書館
- 老人ホーム・保育所・身体障害者福祉ホーム
- 公衆浴場・診療所・保育所等
- 神社・寺院・教会
- 巡査派出所(交番)・公衆電話所(電話ボックス)
- 老人福祉センター・児童厚生施設
- 大学・高等専門学校
- 税務署・郵便局・警察署・保健所・消防署
- 病院
- 床面積の合計が150㎡以内の店舗や飲食店
- 床面積の合計が500㎡以内の店舗や飲食店
- 物品販売業を営む店舗や飲食店(10,000㎡以内)
- ボーリング場・スケート場・プール・バッティングセンター等
- ホテル・旅館
- マージャン屋・パチンコ屋
- カラオケボックス
- 自動車車庫(2階以下かつ300㎡以下)
- 自動車車庫(3階以上または300㎡超)
- 倉庫
- 営業用倉庫
- 自動車教習所
- 劇場・映画館(客席部分の床面積の合計が200㎡未満)
- 自動車修理工場(50㎡以下)
- 自動車修理工場(150㎡以下)
- 危険物の処理・貯蔵施設、量が非常に少ない施設(ガソリンスタンド)
建築不可の建物:
- 床面積の合計が10,000㎡を超える店舗や飲食店
- 劇場・映画館(客席部分の床面積の合計が200㎡以上)
- キャバクラ・キャバレー・ナイトクラブ
- ソープランド・ヌードスタジオ等
- 自動車修理工場(300㎡以下)
- 工場(50㎡以下・危険性や環境を悪化させる恐れが非常に少ない)
- 工場(150㎡以下・危険性や環境を悪化させる恐れが少ない)
- 工場(150㎡を超えるまたは危険性や環境を悪化させる恐れがやや多い)
- 工場(危険性が大きいまたは著しく環境を悪化させる恐れがある)
- 危険物の処理・貯蔵施設、量が少ない施設
- 危険物の処理・貯蔵施設、量がやや多い施設
- 危険物の処理・貯蔵施設、量が多い施設
まとめ
- 第二種住居地域の制限とほぼ同じになり、加えて150㎡以下の自動車修理工場(自動車ディーラー店)が建築できるようになっている。
- 全国的にも、準住居地域の指定面積は少なく、あまり見かけることはない。
- 国道や県道などの幹線道路沿いに指定されることがほとんど。
- 一戸建て購入検討する上では、あまりオススメする地域ではない。
他にも用途地域について記事にしていますのでご覧ください。