こんにちわ。
コマドリです。
今回の用途地域は、今まで記事にしてきた準工業地域、工業地域とは違い、工業に特化した用途地域になり、住宅が建てられない地域です。
文字通り、工場を建てるために指定される用途地域になります。
工業地域との違いを説明していますので、どうぞ読んでいってください。
工業専用地域の特徴
工業専用地域は、工業活動を集中させることで、効率的な生産と環境保護の両立を目指す区域です。以下にその特徴を詳しく説明します。
- 環境保護: 工業専用地域では、騒音や振動、悪臭などの環境基準が設けられており、これらを超える活動は制限されます。これにより、周辺環境への影響を最小限に抑えることができます。
- 効率的な生産: 企業は工業専用地域内でのみ活動するため、必要なインフラやサービスが集中して提供されます。これにより、生産効率が向上します。
- 企業間協力: 同じ地域内に複数の企業が存在することで、技術交流や協力が促進され、イノベーションの創出につながります。
- 住宅地との調和: 工業専用地域は、住宅地から離れた場所に設定されることが多く、住民の生活環境を守ります。
- 将来性: 環境に配慮したエコ工業団地の開発が進んでおり、持続可能な産業の発展に寄与しています。
工業専用地域の指定状況について
工業専用地域は、2022年(令和4年)4月時点の国土交通省の調べでは、全国で約187万haで指定されている用途地域のうち、指定は約1万haで、全体の約8%で指定されています。
※参考 近隣商業地域、商業地域の指定は全体の約4%。工業地域の指定は全体の5.8%。
工業専用地域の制限の適用
工業地域と同じ規制になります。
建蔽率と容積率
建ぺい率:50、60%
容積率:100%~400%
高さ制限
絶対高さ制限
適用無し
※この制限は、第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域のみに適用されます。
道路斜線制限
適用される
※すべての用途地域に適用されます。
隣地斜線制限
適用される
※用途地域により制限内容が違います。
※第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域では適用されません。
北側斜線制限
適用無し
※第1種(第2種)低層住居専用地域、田園住居地域、第1種(第2種)中高層住居専用地域で適用されます。
日影規制
適用無し
※商業地域、工業地域、工業専用地域には適用されません。
外壁後退
適用無し
※第1種(第2種)低層住居専用地域と田園住居地域のみで適用されます。
工業専用地域で建てられる建物と建てられない建物
建築可能な建物
- 公衆浴場・診療所・保育所等
- 老人福祉センター・児童厚生施設
- 巡査派出所(交番)・公衆電話所(電話ボックス)
- 税務署・郵便局・警察署・保健所・消防署
- 床面積の合計が10,000㎡を超える店舗や飲食店以外の事務所等
- カラオケボックス
- 自動車車庫(2階以下かつ300㎡以下)
- 自動車車庫(3階以上または300㎡超)
- 倉庫
- 営業用倉庫
- 自動車教習所
- 自動車修理工場(50㎡以下)
- 自動車修理工場(150㎡以下)
- 自動車修理工場(300㎡以下)
- 工場(50㎡以下・危険性や環境を悪化させる恐れが非常に少ない)
- 工場(150㎡以下・危険性や環境を悪化させる恐れが少ない)
- 工場(150㎡を超えるまたは危険性や環境を悪化させる恐れがやや多い)
- 工場(危険性が大きいまたは著しく環境を悪化させる恐れがある)
- 危険物の処理・貯蔵施設、量が非常に少ない施設(ガソリンスタンド)
- 危険物の処理・貯蔵施設、量が少ない施設
- 危険物の処理・貯蔵施設、量がやや多い施設
- 危険物の処理・貯蔵施設、量が多い施設
建築不可能な建物
- 住宅・共同住宅
- 兼用住宅
- 幼稚園・小学校・中学校・高等学校
- 図書館
- 神社・寺院・教会
- 老人ホーム・保育所・身体障害者福祉ホーム
- 大学・高等専門学校
- 病院
- 店舗や飲食店の部分が2階以下で床面積の合計が150㎡以内のもの
- 店舗や飲食店の部分が2階以下で床面積の合計が500㎡以内のもの
- 上記以外の物品販売業を営む店舗や飲食店(10,000㎡以内)
- 床面積の合計が10,000㎡を超える店舗や飲食店
- ボーリング場・スケート場・プール・バッティングセンター等
- ホテル・旅館
- マージャン屋・パチンコ屋
- 劇場・映画館(客席部分の床面積の合計が200㎡未満)
- 劇場・映画館(客席部分の床面積の合計が200㎡以上)
- キャバクラ・キャバレー・ナイトクラブ
- ソープランド・ヌードスタジオ等
まとめ
・工業専用地域は、2022年(令和4年)4月時点で、用途地域全体で約8%の地域が全国で指定されている。
・工業専用地域は、特定の地域を工業活動に特化させるために設定された区域で、工場や大きな事務所等の工業施設が主に建設されるため、工業活動の利便性を図ることを目的とされています。どんな工場でも建てることができ、整備された工業団地になりやすいです。
・規制については、基本的に工業従事者以外が住むような地域ではないことからも、日影を気にする必要もないことから、工業地域と同じ規制内容で緩やかなものとなっております。
以上工業専用地域についてまとめてみました。
その他12種類の用途地域についてもまとめています。そちらも併せてみていただくことで、用途地域について頭に入りやすくなるかなと思います。
ぜひ見てください。